ケンタッキージョッキークラブステークス(G2)
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レース条件・賞金概要
- コース:チャーチルダウンズ競馬場ダート1 1/16マイル(約1700m)
- 馬場:良
- 天候:曇
- トラックレコード:1:40.66(フィアースネス、2025年5月2日)
- 総賞金:400,000ドル
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ラップタイム
区間タイム:23.35 – 46.76 – 1:10.84 – 1:36.55 – 1:43.33
スプリットタイム:(23.41) – (24.08) – (25.71) – (6.78)
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レース展開
レースは ドクターカプール が外から主導権を握り、
23.35、46.76と締まったペースで先行。
その直後に ソルジャー・エヌ・ディプロマット が並びかけ、
さらに外からファーザーアドが好位3~4番手につけた。
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─ 向正面:先団に圧力
ソルジャー・エヌ・ディプロマットは逃げ馬にプレッシャーを掛けつつ進出し、
バックストレッチで先頭を奪う強気の競馬。
ファーザーアドは折り合い良く、
3~4番手外でスムーズに追走。
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─ 3コーナー~4コーナー:勝負どころ
最終コーナーでファーザーアドが進路を外に取りながら加速し、
先頭のソルジャー・エヌ・ディプロマットに接近。
ユニバースは後方からの競馬で、
直線入り口では外へ大きく流れ 6番手までポジションを落とす 形に。
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─ 直線:ファーザーアド抜け出す
直線序盤でファーザーアドが外から進出して 先団を捕えると残り100mで完全に抜け出し、
内から追うソルジャー・エヌ・ディプロマットを置き去りにした。
後方から伸びた ユニバース は内へ切り込みながら鋭く追い込み、
ゴール前で2着に浮上して差を詰めたが、
ファーザーアドには半馬身届かず。
ソルジャー・エヌ・ディプロマットは粘り強い走りを見せたものの、
最後は甘くなって3着。
ベリーコネクテッドはインをロスなく進め、
直線で脚を使って4着を確保。
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最終着順(公式)
- 6 ファーザーアド(I.オルティスJr)
- 7 ユニバース(B.ヘルナンデス Jr)
- 4 ソルジャー・エヌ・ディプロマット(T.ガファリオーネ)
- 5 ベリーコネクテッド
- 2 チェロキーネイション
- 3 ドクターカプール
- 1 スパイスランナー
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勝ち馬プロフィール – Father Ad
- 牡2、栗毛
- 父:Gun Runner
- 母:Skydreamer(Sky Mesa)
- 生産者:John C. Oxley(米ケンタッキー州)
- 馬主:Spendthrift Farm LLC
- 調教師:Brad Cox
- 生年月日:2023年3月15日
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走りの特徴
- 好位で脚を溜め、
- コーナーで加速し、
- 直線で確実に伸びるタイプ。
ガンランナー産駒らしく、
持続力と勝負根性を兼ね備えた競馬 が光った。
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総括
ファーザーアドは
速めの流れを好位で受け、
最終直線で力強く抜け出す理想的な勝ちパターン で完勝。
ユニバースは進路取りのロスが響きながらも、
最後に鋭い脚を使って能力を証明した。
ソルジャー・エヌ・ディプロマットはペースを作りながらの粘走で価値ある3着。
来春のクラシック戦線を占ううえでも重要な一戦で、
ファーザーアドは確かな存在感を示した。
ファーザーアド、ケンタッキージョッキークラブS(G2)制覇
— スペンドスリフトが2026年ダービー戦線に“二枚看板”を揃える
スペンドスリフトファームは、すでに2026年ケンタッキーダービー(G1)に向けて最有力候補を1頭擁していた。2歳牡馬チャンピオン筆頭の テッドノフィー は、10月31日のブリーダーズカップ・ジュベナイル(G1)を制し、無傷の4連勝を達成した。
そして11月29日、“二枚目の切り札”を手に入れた。
ガンランナー産駒ファーザーアド がチャーチルダウンズ競馬場の ケンタッキージョッキークラブステークス(G2) を制し、クラシック戦線の主役候補へと名乗りを上げた。
ケンタッキーダービー戦線に向けて
ケンタッキージョッキークラブSは、
10–5–3–2–1 のダービーポイントが付与される重要な前哨戦。
ファーザーアドは今回の勝利で 10ポイント を獲得し、
2026年クラシック戦線において存在感を一気に高めた。
コックス調教師は、冬季はペイソンパークで調整しつつ、
前哨戦は フェアグラウンズ、オークローン、ガルフストリーム を候補としていると語った。
G1制覇済みのテッドノフィーも
ガルフストリームパークで冬季参戦を予定しており、体制は盤石だ。
血統背景:ダートで輝く確かな裏付け
ファーザーアドの兄弟には、
UAEで重賞競走を2勝した キンベア(テンプルシティ産駒) がいる。
母スカイドリーマーはG3入線馬で、
父ガンランナーは2026年種付け料 25万ドル のトップサイアー。
血統的にもダート路線で頂点を狙える構成であり、
将来的にはクラシックディスタンスにも不安が少ない。
まとめ:“二枚看板時代”到来
テッドノフィーが2歳牡馬戦線の主役として君臨する中、
ファーザーアドが待望の重賞勝利を挙げ、一気にクラシック戦線の中心へ。
2026年ケンタッキーダービーへ向け、
両馬がどのような軌跡を歩むのか、今後の動向から目が離せない。